特集 くすりの値段を考える
6.精神科病棟薬剤業務に関する薬剤経済学的評価の実施意義とその波及効果~費用効用分析で分かる「くすりの値段の適正化」を担う薬剤師の役割~
村田篤信
1
1慧眞会協和病院薬剤科
pp.2675-2681
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201712087
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本邦で長年にわたり続いている抗精神病薬の多剤大量併用療法は,副作用リスクだけでなく薬剤費の増加をもたらすといった問題がある。薬剤師は,抗精神病薬の適正使用の推進に貢献する必要があるが,その経済効果や健康アウトカムに関する評価が十分に実施されているとは言い難い。本稿では,精神科病棟薬剤業務を通じた抗精神病薬の単剤化により,健康アウトカムを獲得でき薬剤費削減が達成できることを,費用効用分析により評価した実例を紹介する。費用効用分析は,精神科病棟薬剤業務に必要とされている評価に応用でき,またさまざまな波及効果が期待されることから,その介入効果のアセスメントに適した方法と考えられる。