医薬ジャーナル論壇
病棟薬剤業務実施加算は何をもたらすのか ―病院薬剤師が貢献する医療の質の向上―
前田健一郎
1
1本誌編集部
pp.2521-2523
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201311023
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2012年度の診療報酬改定で新設された病棟薬剤業務実施加算が,医療現場に大きな期待を持って迎えられている。振り返れば,2012年4月は,病院薬剤師にとって2つの意味で画期的な月となった。ひとつは,言うまでもなく6年制薬剤師が世に巣立ったこと。そして,もうひとつは,この新たな加算が診療報酬改定で設置されたことである。導入から1年半余,チーム医療の重要性が,医療現場でますます認識される現在,病院薬剤師の病棟活動を制度面からバックアップする本加算の意義は大きい。来るべき2014年度の次期診療報酬改定では,2012年度改定で創設された幾つかの新加算が,中央社会保険医療協議会(中医協)により再検討されるが,病棟薬剤業務実施加算も例外ではない。この加算を恒久的なものとし,その有用性を真に証明するのは,他の何ものでもなく,病院薬剤師自身が築き上げる医療現場でのエビデンスにほかならない。