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Research Note●研究ノート
徹底咀嚼が食後血糖値に与える影響
Effects of thorough mastication on postprandial plasma glucose concentrations in nonobese Japanese subjects
鱸 英彦
1
,
福島 光夫
1,2
,
稲垣 暢也
2
,
清野 裕
2,3
,
福井 次矢
4
1先端医療センター健康情報研究グループ
2京都大学糖尿病・栄養内科
3関西電力病院
4聖路加国際病院
pp.675-677
発行日 2007年11月15日
Published Date 2007/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100745
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徹底咀嚼が食後血糖値に与える影響を明らかにする.
◆咀嚼回数の多寡は食後血糖値に影響を与える
糖尿病外来,糖尿病教室などで「よく噛んで食事をするように」と指導することは多いが,徹底咀嚼の食後血糖値への影響に関するエビデンスは乏しい.20世紀初頭にアメリカのFletcherは,徹底咀嚼により食事摂取量が減り,体重が減少することを自ら実践した(Fletcherism).Readらは4種類の50g炭水化物(とうもろこし,じゃがいも,コメ,りんご)を用いて,12人の正常耐糖能者を対象に,15秒間咀嚼した場合と丸呑みした場合で,食後4時間まで食後血糖値を比較したところ,咀嚼したほうが血糖値は上昇したと報告している1).すなわち,十分に咀嚼すると消化吸収が促進するので,食後血糖値が上昇する可能性がある.また,頭相(cephalic phase,Tips 1)は食物が胃に入る前から始まっていることから,咀嚼回数の多寡は食後血糖値に重要な役割を果たしていると言える.
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