特集 患者の将来を見据えた実践的糖尿病診療―脱 “血糖屋さん” のススメ
[Chapter 1] 血糖値だけではない糖尿病治療の目標と実践
低血糖や食後高血糖の影響とその対策
段 和徳
1
,
木村 友彦
1
,
金藤 秀明
1
1川崎医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科学
キーワード:
低血糖
,
食後高血糖
,
耐糖能障害(IGT)
,
酸化ストレス
,
ブドウ糖毒性
Keyword:
低血糖
,
食後高血糖
,
耐糖能障害(IGT)
,
酸化ストレス
,
ブドウ糖毒性
pp.1074-1079
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika133_1074
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▪動悸,発汗,脱力,意識レベル低下などの症状があり,血漿グルコース濃度が70mg/dL未満の場合,低血糖と診断する.
▪低血糖は糖尿病治療において頻度が高く,生命に関わる重篤な急性合併症である.
▪糖尿病の薬物療法において低血糖が生じる可能性が高い薬剤として,インスリン製剤,スルホニル尿素(SU)薬,速効型インスリン分泌促進薬があげられる.
▪食後高血糖は動脈硬化の進行を促進する.複数の研究により,心血管イベント発生リスクは,空腹時血糖値よりも食後高血糖や75g経ロブドウ糖負荷試験(OGTT)の2時間値に強く関連すると報告されている.
▪高血糖状態では酸化ストレスにより,膵β細胞におけるインスリン生合成およびグルコース応答性インスリン分泌を低下させる.
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