特集 睡眠・眠りの基礎と臨床
2.食行動と概日リズム調節機構
柴田重信
1
,
池田祐子
2
,
原口敦嗣
2
1早稲田大学先進理工学部生理・薬理研究室教授
2早稲田大学先進理工学部生理・薬理研究室
pp.1555-1559
発行日 2014年6月1日
Published Date 2014/6/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201406069
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視交叉上核(SCN)は,哺乳類における体内の生理現象を約24時間周期に調節している。食行動ホルモンと体内時計の研究は,マウスやラットを用いて盛んに行われている。オレキシンやグレリン等の食欲増進ホルモンや,レプチン等の食欲抑制ホルモンも,SCNの支配を受けて日内リズムを刻むことで,食行動にもリズム性が生じることが分かってきた。さらにヒトを対象とした研究により,食事の摂り方によって食欲ホルモン分泌が変化し,肥満に関与していることが明らかとなった。近年,ヒトの体内時計の測定手法が確立されたことから,ヒトを対象とした食欲ホルモンと体内時計の研究の発展が期待される。