特集 パーソナルゲノム時代における倫理的課題
8.ファーマコゲノミクス(PGx)の現状と国内データベースの構築
劉世玉
1
1武田薬品工業株式会社 医薬開発本部 日本開発センター クリニカルデータサイエンス部臨床薬理グループ・マネージャー
pp.977-981
発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201403097
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2004年3月に米国食品医薬品局(FDA)は,基礎研究が進歩しているにも関わらず,新薬が期待するほど創出されていないことに危機感を抱き,「革新と停滞:新薬のクリティカル・パスへの挑戦と機会」を発表した1)。「医薬品開発の現状および今後の取り組むべき課題」を提言する一環として,2005年には,FDAはPharmacogenomics Data Submissionのドラフトガイダンス2)を発表し,国内製薬企業各社はファーマコゲノミクス(PGx)の導入意識が高まった。2014年は,国内各社の取り組みが始まってほぼ10年となる。しかし,国内製薬企業の臨床試験におけるPGxの実施と利用状況は,海外製薬企業と比較すると依然として低い。今後,各社はそれぞれの企業戦略・経営方針に合わせたPGx治験の研究開発への活用・推進に対応し,創薬におけるわが国の国際競争力が向上することを期待したいものである。