特集 Cardio Oncologyの現状と課題~専門医からプライマリケア医まで考えるべきこと~
7.がん患者での心血管疾患の予防と治療に関する臨床試験~これまでのレビューと今後必要な臨床試験について~ 1)腫瘍内科医の立場から
勝俣範之
1
1日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科・教授/部長
pp.2619-2623
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018122619
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がん薬物療法の心毒性の予防に対して,最も多くのエビデンスがあるのは,デクスラゾキサンである。他の薬剤(β遮断薬,アンジオテンシン変換酵素〔ACE〕阻害薬,スタチンなど)の予防効果は明らかではない。また,心毒性を減らすため,アンスラサイクリン系薬剤を使わず,他の化学療法で代用していく試みが乳がんなどでなされている。 がん患者の心毒性に対する臨床試験は,それほど多くは行われていない。心毒性の頻度がそれほど多くないためである。本稿では,これまでの心毒性に対する臨床試験に関してレビューするとともに,今後の方向性について考察する。