第 I 部 医療イノベーションと新薬創出
1.医療イノベーション政策,新薬創出と レギュラトリーサイエンス
黒川達夫
1
1慶應義塾大学薬学部レギュラトリー・サイエンス講座・教授
pp.221-224
発行日 2013年1月31日
Published Date 2013/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201313221
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医薬品は国際的先端技術製品の代表である。わが国でも優れた新薬を世に問うため,治験データが世界に通用するものとなるよう努力を重ねてきた。四半世紀前,この認識からGCP(医薬品の臨床試験の実施の基準)やICH(日米EU〔欧州連合〕医薬品規制調和国際会議)などさまざまな仕組みがスタートし,臨床試験のレベルは大きく向上した。しかし並行するアジア新興諸国の発展と,科学面でのヒトゲノム解明や分子生物学などの進歩は極めて急速かつ強大で,競争力維持にも大変な努力が必要な現実である。問題点指摘は終わっている。人材の充実や国家的な政策・財政コミットメントなどが鍵であり,発展しつつあるレギュラトリーサイエンスを軸として,それぞれの立場で努力を続けることが将来を拓くものと思う。