特集1 医療経済評価の日本での活用
6.諸外国における医療経済評価の活用方法とわが国への示唆
白岩健
1
1国立保健医療科学院研究情報支援研究センター
pp.2807-2811
発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201312083
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多くの先進諸国では,医療経済評価を保険償還や価格設定のために活用している。医療経済評価をどのように活用するか,またその結果にどの程度の重きを置くかは,もちろん各国によって状況が異なっている。だが,少なくとも意思決定の際に医療経済評価データの提出を求めることは,多くの国では必須となっている。そのような国々では,企業が提出したデータの信頼性や妥当性を検討するために,医療技術評価あるいは医療経済評価の専門的機関が設立され,評価を行っていることが多い。これらの機関としては,(a)独立した研究機関,(b)政府の部局や独立行政法人,(c)保険者・支払基金,(d)医薬品の審査等を行う機関に形態が大別される。残念ながら,日本にはこのような機関は現在のところ存在していない。世界的に見てもこのような機関が存在しないのは,先進国においては日本と米国だけとも言われる。今後の体制の整備が期待される。