特集 糖尿病治療薬の最前線 ~臨床試験・臨床疫学的観点も含めて~
9.インスリン治療の現状と今後の展望
石原寿光
1
1日本大学医学部内科学系糖尿病・代謝内科学分野・教授
pp.2396-2400
発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201310108
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
今世紀に入る直前から,新規のインスリン製剤が登場し,今後も続くと思われる。それらの使用に当たっては,β細胞の機能を想定しながら,インスリン注射による補充の限界を認識しておくべきである。同時に,β細胞の回復の可能性も考慮に入れて,実際の患者のコンプライアンスの問題を踏まえ,それぞれの使用法が考えられているのかを想像して欲しい。現状の大きな流れは,持効型のインスリンで導入し,段階的に超速効型インスリンを食前に追加していく方法であると思われる。さらに,今後人工β細胞の実現が,大いに期待されるが,それはまた,インスリン注射の長所と短所を照らしてくれるであろう。