特集 糖尿病治療薬の最前線 ~臨床試験・臨床疫学的観点も含めて~
8.GPR40作動薬の作用機序と治療への展望
加来浩平
1
1川崎医科大学総合内科学1・特任教授
pp.2388-2395
発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201310100
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中長鎖脂肪酸をリガンドとするGPR40の活性化は,グルコース濃度依存性にインスリン分泌を促進する。新規経口糖尿病薬としてGPR40作動薬fasiglifam(開発コードTAK-875)の臨床開発が進行中である。国内の臨床第II相試験結果から,1日1回50mgが至適用量であることが確認された。12週間投与前後のHbA1c変化量は,プラセボ群で+0.09%,50mg投与群では-1.27%であり,グリメピリド1mg投与群の?1.32%とほぼ同等の効果を認めた。海外での試験結果もほぼ同様であった。低血糖を含む有害事象の発現率は,プラセボ群と同等であり,グリメピリド群に比し有意に少なかった。長期の安全性と有効性を兼ね備えた薬剤としての可能性が期待されている。