連載 薬剤師による処方設計〈17〉
腎移植外来のチーム医療における薬剤師の関与
岩田一史
1
,
合澤啓二
2
,
上田賢太郎
1
,
江島智彦
1
,
下石和樹
3
,
陣上祥子
4
,
福永栄子
5
1熊本赤十字病院薬剤部
2熊本赤十字病院薬剤部製剤係長
3熊本赤十字病院薬剤部医薬品情報係長
4熊本赤十字病院薬剤部副薬剤部長
5熊本赤十字病院薬剤部薬剤部長
pp.2229-2234
発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201309151
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近年,チーム医療の推進に伴い,薬剤師の関与は入院患者だけではなく,外来患者においても求められるようになった。腎移植領域における薬物療法は,免疫抑制剤における多様な相互作用および用法の煩雑化に誘引されるアドヒアランス不良など,種々の問題点があげられる。これらの問題点を改善するため,熊本赤十字病院では,2010年8月から腎移植外来診療に薬剤師が同席している。薬剤師が外来診察室に同席することで,医師からの相談・確認件数が増加し,処方箋上の不備が減少した。また,残薬確認を行うことで,医療費の削減ならびに外来患者のアドヒアランスを把握することができた。外来診療における薬剤師の関与は,治療の有効性・安全性向上に寄与するものと考える。