医薬ジャーナル論壇
最適なOTC医薬品販売制度とは何か ―インターネット販売解禁を巡る議論の行方―
前田健一郎
1
1本誌編集部
pp.2101-2103
発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201309023
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OTC医薬品(一般用医薬品)の新たな販売制度の枠組みが,議論を呼んでいる。その淵源として記憶に新しいのは,最高裁が今年の1月11日,厚生労働省(厚労省)の省令を無効とした判決である。2009年施行の改正薬事法に基づき,厚労省が制定していた省令では,第1類・第2類OTC医薬品については,インターネットを含む郵便等販売は認められていなかったが,それが覆された。この判決を受けて,OTC医薬品の販売制度は,抜本的な見直しを迫られている。現在,スイッチ直後などの高リスクOTC 28品目(当初は25品目であったが,8月に3品目追加された)に関しては,インターネット販売が当面,留保されているものの,これまで対面が原則とされてきた薬の殆どが,今や“野放し”の状態となっている。薬事法の改正も視野に,秋から本格化するであろうOTC医薬品の新販売制度の議論では,薬の専門職である薬剤師が,最も安全で安心な仕組みとは何かを,国民の視点に立って提案していくことが望まれる。