特集2 関節リウマチ治療の新しい展開 ~JAK阻害薬の臨床導入による進歩~
8.新規JAK/SYK阻害薬の開発動向
中山田真吾
1
,
田中良哉
2
1産業医科大学医学部第一内科学講座 学内講師
2産業医科大学医学部第一内科学講座 教授
pp.2011-2015
発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.20837/12013082011
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サイトカインシグナルを媒介するヤヌスキナーゼ(JAK)を標的としたtofacitinibの成功を受け,関節リウマチ(RA)に対する新規JAK阻害薬の創薬開発が精力的に進められ,その優れた臨床効果が報告されている。新規JAK阻害薬の各JAKへの特異性の違いにより,有効性や安全性のプロファイルに違いが認められるなど,特定の分子標的治療の結果,サイトカインシグナルの常態および病態での多様性と重要性が認識されるようになった。さらに,脾チロシンキナーゼ(SYK)阻害薬もRAへの臨床応用が期待されている。今後,細胞内シグナル分子を標的とした治療によって,RA病態の解明と新たな治療の変革がもたらされるものと期待される。