特集2 関節リウマチ治療の新しい展開 ~JAK阻害薬の臨床導入による進歩~
7.トファシチニブの位置づけおよび使用上の注意点
針谷正祥
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1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科薬害監視学講座・教授 東京医科歯科大学医学部附属病院膠原病・リウマチ先端治療センター・センター長
pp.2007-2010
発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.20837/12013082007
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ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬であるトファシチニブは,米国および日本で関節リウマチ(RA)の適応で承認されたが,欧州ではベネフィット・リスクバランスの観点から否定的な見解が出され,現時点では承認が見送られている。トファシチニブは,添付文書および一般社団法人日本リウマチ学会の「全例市販後調査のためのトファシチニブ使用ガイドライン」を遵守して使用する。特に重篤な感染症,悪性腫瘍のリスクについては,患者へ十分に情報を提供し,同意を得た上で,使用を開始する。
RAの適応を取得した最初のキナーゼ阻害薬である本剤の実臨床での安全性と有効性を確立するための全例市販後調査において,確実にデータを蓄積していくことが重要である。