今月の主題 老人診療のポイント
治療および処置上の注意点
薬剤使用上の注意点
勝沼 英宇
1
,
新 弘一
1
,
大野 大二
1
,
田中 由利子
1
,
新井 久之
1
1東京医科大学・老人科
pp.1370-1374
発行日 1988年8月10日
Published Date 1988/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221800
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老人に薬物を処方する場合の注意点は何といっても,まず第一に相手が老人であるということを認識することである.
ここに言う「老人」とは,年齢面からみて,65歳以上,100歳の超高齢者に至るまで,また,臓器機能からみて若年者と変らないものから,若年者の1/2以下に低下している老化現象の高度なものに至るまで,疾患からみて単疾患から複数の潜在疾患を有するものに至るまで,実に種々多彩な病態生理が混在している年齢層の集まりであるということである.またこれら対象の中には一見健康にみえる老年初期の老人でも生理的に老化が年齢以上に高度に現れているものもあれば,高齢にもかかわらず諸臓器機能が60歳台のもののように矍鑠たるものもあり,個人差が広いのが特徴である.
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