特集2 関節リウマチ治療の新しい展開 ~JAK阻害薬の臨床導入による進歩~
2.JAKとその制御
吉村昭彦
1
1慶應義塾大学医学部微生物学・免疫学教室・教授
pp.1980-1988
発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.20837/12013081980
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インターロイキン(IL)-6をはじめ,多くのサイトカインの受容体にはJAK(janus kinase)型チロシンキナーゼが非共有結合で会合する。JAKは転写因子STAT(signal transducer and activator of transcription)およびRas-ERK経路やPI3K-Akt経路を活性化する。JAKは4種類が知られており,サイトカイン受容体によって会合するJAKが決まっている。JAK2のJH2(偽キナーゼ)ドメインに機能向上型変異(V617F)が真性多血症などの慢性骨髄増殖性疾患に高頻度に認められることから,ruxolitinib(INC424)が骨髄線維症の治療薬として承認された。さらに低分子JAK阻害薬は,関節炎リウマチをはじめとする自己免疫疾患などの炎症性疾患治療薬として開発されている。またIL-4などはアレルギーにも重要なので,JAK阻害薬はアレルギー性疾患の治療薬としての効果も期待されている。