特集2 関節リウマチ治療の新しい展開 ~JAK阻害薬の臨床導入による進歩~
1.本邦における関節リウマチ治療の現状と課題
山本一彦
1
1東京大学医学部アレルギーリウマチ内科・教授
pp.1977-1979
発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.20837/12013081977
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
わが国の関節リウマチ(RA)の診療は,最近の10年間で劇的に変化した。メトトレキサート(MTX)の抗リウマチ薬としての位置づけが明確になり,さらに複数の生物学的製剤が加わり,従来は関節破壊の進展を抑制することはほとんど難しいと言われたこの疾患において,関節破壊を明確に抑制できる可能性が高くなり,症状がないに等しい状態,すなわち寛解に持ち込める手段を得たかに見える。しかし,RAの病因,病態の詳細を理解できておらず,いかに的確に診断するかについても定見はない。さらに,現在の治療は,確かに10年間で劇的に向上したが,治療に抵抗する症例,治療による副作用,治療薬による経済的な負担など,多くの問題が山積している。