Japanese
English
特集 リエゾン精神医学の現状と課題
皮膚科領域におけるリエゾン精神医学―本邦における歴史および現状と課題
Consultation-Liaison Psychiatry with Dermatology:History and prospects in Japan
境 玲子
1,3
,
池澤 善郎
2
,
小阪 憲司
1
,
平安 良雄
1
Reiko SAKAI
1,3
,
Zenro IKEZAWA
2
,
Kenji KOSAKA
1
,
Yoshio HIRAYASU
1
1横浜市立大学医学部精神医学教室
2横浜市立大学医学部皮膚科学教室
3積愛会横浜舞岡病院
1Department of Psychiatry, Yokohama City University School of Medicine
2Department of Dermatology, Yokohama City University School of Medicine
キーワード:
Atopic dermatitis
,
Consultation-Liaison Psychiatry
,
Psychodermatology
,
Psychosomatic disorders
,
Stigma
Keyword:
Atopic dermatitis
,
Consultation-Liaison Psychiatry
,
Psychodermatology
,
Psychosomatic disorders
,
Stigma
pp.857-862
発行日 2005年8月15日
Published Date 2005/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100086
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はじめに
皮膚は身体の一部であるが個人と外界との「境界」として存在し,個体の外見的識別の重要な要素でもある。本邦で“あばた”や“しみ・そばかす”が醜形ととらえられ,グリム童話でも“白雪姫”の美しさが“skin as white as snow”と形容されているように,洋の東西を問わず,「皮膚に病変がない」ことが美の条件の一つとしてとらえられてきた。裏を返せば,皮膚病変の存在が一般社会において個人の短所ととらえられる傾向を示し,他者とのかかわりや個人の発達過程に大きく影響することを示す。
欧米では「皮膚と精神の関連」について古くから検討されてきたが,本邦では皮膚科と精神科との連携の歴史は浅く,報告も少ない。本稿では「皮膚―精神」への探求について海外での知見と歴史,本邦の現状を述べ,リエゾン精神医学の立場から「皮膚科と精神科との連携」について考察する。
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