Ex Laboratorio Clinico・52
水痘ワクチンの実用化
高橋 理明
1
1大阪大学微生物病研究所麻疹研究部
pp.424-429
発行日 1981年4月15日
Published Date 1981/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911210
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水痘感染の危険性
水痘は健康児では一般に軽症とされている.しかし中には高熱を伴って全身に水疱を生じ治癒後も皮膚に瘢痕を残すことがある.特に免疫抑制剤の投与を受けている疾患児や急性自血病児が罹患すると重症化し,死亡に至る例も少なくない.成人が初感染を受けると肺炎などを起こし重篤化することもある.最近は治療にステロイドを使用することが多く,水痘感染の危険性は以前に比しはるかに増大している.また水痘は伝染力が強くて院内感染が多く小児科病棟の医師,病院管理者にとっては大きな問題となっている.
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