特集 在宅医療の現状と今後の展望
8.在宅医療と歯科医師の関わり
花形哲夫
1
1花形歯科医院・院長/山梨県歯科医師会・専務理事
pp.1115-1118
発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201304115
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在宅医療を必要とする対象者は,身体・生活・医療・看護・介護に手を多く取られているためか,適切で自立度に合った歯科医療や口腔ケアが行われていない事例を多く見る。在宅歯科医療において大切なのは,要介護高齢者の一番の楽しみである「食べる」ことを維持するため,う蝕・歯周病・義歯などの治療,摂食・嚥下機能を維持・向上させること,そして不十分な口腔ケア・嚥下機能の低下により起こる誤嚥性肺炎の予防などがある。しかし,在宅療養対象者への在宅歯科医療は,十分に供給されていないのが現状である。さらに,この需要に応えることは歯科職種だけではできないため,口腔領域以外の患者に関わる多職種のスタッフが相互に業務を理解し,連携・協働して医療提供システムを構築することが必要である。