特集 在宅医療の現状と今後の展望
7.在宅医療と訪問看護の関わり
佐藤美穂子
1
1公益財団法人 日本訪問看護財団・常務理事
pp.1109-1114
発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201304109
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在宅医療を推進するためには,訪問看護が重要な役割を担う。一方で,在宅療養(看取 りまでを含む)が可能となる決め手は,療養環境としての住まいと,買い物や洗濯などの 家事,さらに排泄や入浴介助,食事介助を主とする日常的な介護である。その上で在宅医 療は成り立つ。訪問看護は全人的な統合ケアであり,主な内容として,〈1〉 疾病や介護状態の予防・悪化防止,〈2〉 病院から在宅への移行支援,〈3〉在宅療養生活の支援(24時間体制で緊急時の対応等を含む)〈4〉エンド・オブ・ライフ・ケア(終生期ケア)があげられる。
現在,全看護職員のわずか2%(3万人)しか訪問看護に従事していないが,団塊の世代が75歳を迎える2025年に向けて,訪問看護師を欧米並みに増やすことが喫緊の課題である。