特集 患者の自立に向けて—さまざまな看護現場で
老人のセルフケアをどうとらえるか—在宅での関わりを通して
坂口 千鶴
1
1東京医科歯科大学医学部保健衛生学科
pp.713-716
発行日 1993年8月1日
Published Date 1993/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904329
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“個”の尊重なくしてはセルフケアは語れない日本社会におけるむずかしさ
オレムの理論の基本的な信念は,個人の人生はその個人に責任があり,健康についてもその個人が管理,選択するということにある.また,医療の専門家の役割は,その個人が自分自身へのケアを提供できる能力を維持,回復,増進できるように援助することにある.
「セルフケア」とは,人間関係を通して,健康の維持・増進をめざし,継続的で目的意識をもった態度で自分自身をケアすることを学習することである.それは,文化によって違いがあり,個人的レベルでは,動機,家族,教育,経験,健康状態などその人が持つ背景によって変化する.
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