特集 骨粗鬆症治療の新展開
2.骨折防止治療の開始と治療薬のエビデンスの現況
宗圓聰
1
1近畿大学医学部奈良病院整形外科・リウマチ科・教授
pp.857-865
発行日 2013年3月1日
Published Date 2013/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201303857
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骨折防止のための薬物治療開始は,既存脆弱性骨折の有無と骨折種,骨密度,大腿骨近位部骨折の家族歴,WHO(World Health Organization)による骨折リスク評価ツールであるFRAXによる主要骨粗鬆症関連骨折確率,などの因子を組み合わせて決定する。
薬剤の骨折抑制効果に関するエビデンスから,閉経後骨粗鬆症においては,椎体骨折と大腿骨近位部骨折のリスクが高い例にはアレンドロン酸とリセドロン酸が第一選択であり,椎体骨折のリスクのみが高い例にはテリパラチド,エルデカルシトール,SERM(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)が第一選択と考えられる。アレンドロン酸とアルファカルシドールの併用は下肢荷重骨の骨折抑制効果に優れ,骨折リスクの高い例での椎体骨折抑制効果に優れる。