Japanese
English
今月の主題 カルシウム・リン・ビタミンDの再評価
話題
FGF23によるリン・ビタミンD代謝調節機構
Regulation of phosphate and vitamin D metabolism by FGF23
福本 誠二
1
Seiji FUKUMOTO
1
1東京大学医学部附属病院腎臓・内分泌内科
キーワード:
FGF
,
Klotho
Keyword:
FGF
,
Klotho
pp.1003-1006
発行日 2011年10月15日
Published Date 2011/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102759
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1.はじめに
慢性の低リン血症は,骨石灰化障害を特徴とする,くる病/骨軟化症の原因となる.逆に高リン血症は,異所性石灰化のリスク因子である.健常人にはこれらの異常が生じないことから,生体には血中リン濃度を一定の範囲に維持する機構が備わっていると考えられる.従来,副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone;PTH)や1α,25-水酸化ビタミンD〔1α,25(OH)2D〕が,血中リン濃度を変化させることが知られていた.一方,PTHの分泌は主に血中カルシウム(Ca)濃度によって規定され,1α,25(OH)2D産生はPTHによって促進される.したがってPTHや1α,25(OH)2Dは,Ca調節ホルモンとして作用するものと考えられてきた.当初一部のくる病/骨軟化症の発症に重要な役割を果たす因子として同定された線維芽細胞増殖因子23(fibroblast growth factor 23;FGF23)は,生理的にも血中リン濃度を調節する液性因子であることが明らかにされてきた1,2).以下本稿では,FGF23の作用につき概説する.
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