特集 ホルモンによる骨代謝の制御
[コラム] 骨代謝における卵胞刺激ホルモン(FSH)の役割
辰島 啓太
1
1虎の門病院内分泌センター
キーワード:
卵胞刺激ホルモン(FSH)
,
FSHβ 抗体
,
骨代謝
Keyword:
卵胞刺激ホルモン(FSH)
,
FSHβ 抗体
,
骨代謝
pp.113-114
発行日 2019年4月1日
Published Date 2019/4/1
DOI https://doi.org/10.19020/KB.0000000196
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血清卵胞刺激ホルモン(FSH) 値は女性において閉経前から上昇し,その後長期にわたって高値を維持する.骨量の減少する時期は血清FSH 値の上昇する時期と一致するが,それは卵巣機能の低下によって説明しうると考えられてきた.しかし,2006 年にZaidi らの研究グループがFSH 受容体を欠損させたマウスでは骨量は低下しないと報告したことで,FSH は骨代謝の直接的な制御因子の一つであると捉えられるようになった.以降,FSH と骨代謝に関する基礎研究が進み,現時点では「FSH は破骨細胞に存在するFSH 受容体に結合し,MEK/Erk やAkt のリン酸化を介したnuclear factor kappa B(NFκB)の活性化によって骨吸収を促進する」というメカニズムが想定されている.
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