特集 ホルモンによる骨代謝の制御
2.骨の成長・成熟・老化とホルモン(3)エストロゲン
東 浩太郎
1
,
井上 聡
1
1東京都健康長寿医療センター研究所老化制御研究チーム
キーワード:
エストロゲン
,
エストロゲン受容体α
,
エストロゲン受容体β
,
GPR30
,
選択的エストロゲン受容体モジュレータ(SERM)
Keyword:
エストロゲン
,
エストロゲン受容体α
,
エストロゲン受容体β
,
GPR30
,
選択的エストロゲン受容体モジュレータ(SERM)
pp.103-112
発行日 2019年4月1日
Published Date 2019/4/1
DOI https://doi.org/10.19020/KB.0000000195
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
エストロゲンは,性別にかかわらず,骨の成長,成熟,老化に関与するホルモンである.思春期には骨の成長の加速,骨端線の閉鎖に関わっており,身長を決める因子となる.また,思春期から老年期に至るまで,エストロゲンは骨量や骨質の維持に関わっており,閉経後女性における骨量減少やエストロゲン補充による骨折リスク低下は,その効果を示している.骨保護効果のメカニズムは,細胞種特異的なエストロゲン受容体欠損マウスの解析などより,破骨細胞および骨芽細胞を標的とした作用が明らかにされている.また骨質に対する作用は,骨組織における酸化ストレスの低減が重要と考えられる.さらに,免疫系や消化管,中枢神経系を介する間接的なエストロゲンの骨代謝への影響も示唆されている.
Copyright © 2019, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.