増刊号 尿検査法
II.各論
19.ホルモンおよび関連物質
1)下垂体関連
(3)卵胞刺激ホルモン
田坂 慶一
1
1大阪大学医学部産科婦人科学教室
pp.198-199
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901117
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はじめに
卵胞刺激ホルモン(FSH)は脳下垂体より分泌される性腺刺激ホルモンのひとつである.同じ性腺刺激ホルモンの黄体形成ホルモン(LH)は排卵作用を有するのに対し,FSHは主に卵胞発育作用をもつ.FSHもLHと同様律動的分泌をしている.成熟女性では,卵胞が発育するにしたがってインヒビンが卵巣より分泌され,卵胞期後期にはやや低下する.FSHも排卵前のLHピークに一致してスパイク状分泌をするが,LHほど顕著ではない.男性ではほぼ一定の値をとる.
下垂体機能を評価する場合,血中LHと血中FSHで判定するのが普通である.現在の時点で尿中FSHを指標とする場合はほとんどない.また尿中FSH値を排卵予知に利用することも現実的でない.ここでは尿中FSHのRIAによる測定法とその評価につき簡単に述べておく.
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