特集 尿毒症と骨
1.透析患者の運動器疾患(整形外科疾患)と骨の臨床的特徴
加藤 義治
1
1東整形外科
キーワード:
整形外科疾患
,
β2 ミクログロブリン
,
破壊性脊椎関節症
,
アミロイド関節症
,
大腿骨頸部骨折
Keyword:
整形外科疾患
,
β2 ミクログロブリン
,
破壊性脊椎関節症
,
アミロイド関節症
,
大腿骨頸部骨折
pp.7-14
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.19020/KB.0000000172
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透析患者の運動器疾患(整形外科疾患)は「腎不全による全身性代謝障害のうちの骨代謝障害による病変」と「透析で排出されないβ2 ミクログロブリンが運動器局所に沈着し生じる炎症性・増殖性・破壊性病変」の両者により引き起こされる.前者では副甲状腺機能亢進症の線維性骨炎,無形成骨による全身性脆弱骨,後者では局所の炎症性・肥厚性・破壊性病変による脊髄症,神経根症および関節障害が生じ,この両者が相まって進行する.重度のアミロイド関節症,破壊性脊椎関節症ではQOL が著しく障害されるために手術を要する場合が多い.透析導入が高齢となり,導入疾患として糖尿病,腎硬化症が増加している現在,全身状態が悪い患者も多いため周術期の全身管理,手術合併症に十分な注意を払い加療されるべきである.
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