小児・妊婦・高齢者に対するIBD診療
炎症性腸疾患における妊娠希望者・妊婦に対する指導と管理、看護の実際
国崎 玲子
1
,
大竹 はるか
,
西尾 匡史
,
小柏 剛
,
木村 英明
,
中川 まどか
,
返田 紀子
,
青木 茂
,
関 和男
1横浜市立大学附属市民総合医療センター 炎症性腸疾患(IBD)センター
キーワード:
インフォームドコンセント
,
炎症性腸疾患
,
患者教育
,
妊娠合併症
Keyword:
Informed Consent
,
Patient Education as Topic
,
Pregnancy Complications
,
Inflammatory Bowel Diseases
pp.139-147
発行日 2017年3月20日
Published Date 2017/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2017217814
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炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease;IBD)は,生殖年齢に好発するため,疾患の治療を行いながらいかに安全に妊娠出産の管理ができるかが重要な課題となる.近年の欧米を中心としたデータによると,IBD自体は妊娠異常を増加させず,IBD治療薬の多くは妊娠に大きく悪影響を及ぼさないと考えられている.妊娠中に治療薬投与の是非について説明する際は,治療薬の児への影響のみを強調するのではなく,治療の継続で得られる利益,中止により生じうる不利益を十分説明し,患者が適切に判断を下せるよう配慮する.説明は,妊娠してから行うのでは遅く,妊娠可能年齢の患者が受診した時点でできるだけ全例に行う.医療者間で説明に食い違いがあると,患者に不安を与えるため,IBD合併妊娠を扱う施設では,消化器科,産科,小児科の医療スタッフが事前に合同勉強会の機会をもち,情報共有できていることが望ましい.
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