小児・妊婦・高齢者に対するIBD診療
妊娠・授乳期における炎症性腸疾患治療薬の使い方
齊藤 詠子
1
,
日比 紀文
1北里大学北里研究所病院 炎症性腸疾患先進治療センター
キーワード:
Azathioprine
,
Ciclosporin
,
Prednisolone
,
炎症性腸疾患
,
妊娠合併症
,
Infliximab
Keyword:
Infliximab
,
Azathioprine
,
Prednisolone
,
Pregnancy Complications
,
Inflammatory Bowel Diseases
,
Cyclosporine
pp.155-160
発行日 2017年3月20日
Published Date 2017/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2017217816
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炎症性腸疾患(IBD)は20代前後が好発年齢のため,妊娠・授乳期に薬物療法を要することが多い.海外の報告より妊娠中の疾患活動性がIBD薬物療法より妊娠合併症のリスクを高めることがわかっている.5-ASA製剤,ステロイド,生物学的製剤は妊娠・授乳期の有害事象は低リスクと考えられている.免疫調節薬は添付文書では禁忌であるが最近の報告から低リスクとする考え方が一般化してきている.カルシニューリン阻害薬はデータが少ないが,移植後妊娠の報告から妊娠中はおそらく低リスクであり,授乳に関してははっきりしていない.メトロニダゾール,シプロフロキサシンは妊娠初期および授乳を避けるべき薬剤,メトトレキサートおよびサリドマイドは妊娠・授乳期とも禁忌となっている.
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