炎症性腸疾患-ファーストタッチから長期マネジメントまで 特殊な状況(病態)への対応
炎症性腸疾患と妊娠・出産・授乳
穂苅 量太
1
,
好川 謙一
,
渡辺 知佳子
,
東山 正明
,
高本 俊介
1防衛医科大学校 内科学講座(消化器内科)
キーワード:
Methotrexate
,
炎症性腸疾患
,
奇形-薬物性
,
妊娠合併症
,
不妊症
,
リスク
,
母性曝露
,
出産
,
授乳
Keyword:
Abnormalities, Drug-Induced
,
Methotrexate
,
Infertility
,
Risk
,
Pregnancy Complications
,
Inflammatory Bowel Diseases
,
Maternal Exposure
,
Parturition
pp.641-644
発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016019457
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不妊リスクや妊娠転帰は,IBD患者であるというだけでは一般人口と変わらない.骨盤内手術は不妊率が増加する可能性がある.活動性のIBDでは妊娠合併症は増加する.妊娠成立時に活動期であると妊娠中の病勢コントロールが難しい.寛解期の妊娠が望ましい.活動性のIBDで薬剤の影響を考えると,治療の意義が胎児への影響に比べて相対的に増加する.アミノサリチル酸,prednisolone,抗TNFα抗体製剤は妊娠転帰への悪影響の報告は少ない.チオプリン製剤の安全性は確立していない.methotrexateは使うべきでない.妊娠後期に抗TNFα抗体製剤は胎盤を通過するため,生ワクチンを出生後早期に受けるべきではない.
©Nankodo Co., Ltd., 2015