診断に迷うIBDの非典型例
IBD unclassified(IBDU)/Indeterminate colitis(IC)
梅野 淳嗣
1
,
平野 敦士
,
江崎 幹宏
,
松本 主之
1九州大学 大学院病態機能内科学
キーワード:
Crohn病
,
炎症性腸疾患
,
鑑別診断
,
大腸炎-潰瘍性
,
消化器系内視鏡法
Keyword:
Crohn Disease
,
Diagnosis, Differential
,
Colitis, Ulcerative
,
Inflammatory Bowel Diseases
,
Endoscopy, Digestive System
pp.587-593
発行日 2016年11月20日
Published Date 2016/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2017081485
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
従来,炎症性腸疾患(IBD)の診断において,クローン病(CD)と潰瘍性大腸炎(UC)の鑑別が困難な場合には"indeterminate colitis(IC)"の名称が用いられてきた.しかし,本来は切除標本の病理学的な検索にもかかわらずCDあるいはUCの診断が困難な場合にのみICという用語を使用すべきであり,臨床所見における診断確定困難例は"IBD unclassified(IBDU)"と呼称することが推奨されている.IBDU/ICの多くは経過中にCDないしUCに典型的な臨床所見を呈するとされるが,一部の症例では確定診断が得られずIBDU/ICのまま経過する.そのような場合,治療法の選択に苦慮することも少なくないため,IBDU/ICでは注意深く臨床経過を観察することが重要である.
Copyright © 2016, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.