診断に迷うIBDの非典型例
非典型像を示した潰瘍性大腸炎
井上 拓也
1
,
村野 実之
,
柿本 一城
,
岡田 俊彦
,
川上 研
,
樋口 和秀
1大阪医科大学 第二内科
キーワード:
大腸内視鏡法
,
鑑別診断
,
大腸炎-潰瘍性
,
虫垂炎
,
アフタ様病変
Keyword:
Appendicitis
,
Colonoscopy
,
Diagnosis, Differential
,
Colitis, Ulcerative
pp.565-569
発行日 2016年11月20日
Published Date 2016/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2017081482
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潰瘍性大腸炎(UC)の内視鏡所見は,血管透見像の消失と,粗そうな粘膜や細顆粒状の変化をびまん性に認めることが特徴であり,本邦のUCの診断基準にも含まれる.そして,これらの所見は歯状線直上の直腸粘膜から口側に連続して認められるのが典型的である.しかし,症例数の蓄積および近年の内視鏡技術,前処置法の進歩に伴ってより微細な粘膜の炎症性変化が捉えられるようになってきており,多くの非典型像に接する機会が増えてきた.非典型像を認めた場合でも,典型的な内視鏡像をその肛門側などに伴っていることや病変局所の内視鏡像が典型像に類似することが多いことなどから,非典型像のみにとらわれずに慎重な内視鏡診断を行うことがUCの内視鏡診断において重要と考えられる.
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