特集 すべてがわかるIBDの内視鏡
潰瘍性大腸炎の内視鏡 他疾患との鑑別診断
今枝 博之
1
,
都築 義和
,
宮口 和也
,
芦谷 啓吾
,
松本 悠
,
山岡 稔
,
塩味 里恵
,
大庫 秀樹
,
林 由紀恵
,
細江 直樹
,
中元 秀友
,
金井 隆典
,
岩男 泰
1埼玉医科大学 消化管内科
キーワード:
カンピロバクター感染症
,
大腸菌感染症
,
サルモネラ感染症
,
サイトメガロウイルス感染症
,
大腸内視鏡法
,
結腸憩室炎
,
抗細菌剤
,
鑑別診断
,
赤痢-アメーバ性
,
腸炎
,
大腸炎-潰瘍性
,
Enterohemorrhagic Escherichia coli
Keyword:
Anti-Bacterial Agents
,
Campylobacter Infections
,
Cytomegalovirus Infections
,
Dysentery, Amebic
,
Diagnosis, Differential
,
Colitis, Ulcerative
,
Colonoscopy
,
Diverticulitis, Colonic
,
Enterocolitis
,
Escherichia coli Infections
,
Salmonella Infections
,
Enterohemorrhagic Escherichia coli
pp.197-203
発行日 2020年2月25日
Published Date 2020/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020163365
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潰瘍性大腸炎(UC)は慢性の下痢、血便をきたし、炎症が連続性に直腸から口側に進展する疾患である。臨床経過と内視鏡所見から多くは鑑別が容易であるが、時にUCでも急性発症する場合があり、細菌性腸炎との鑑別を要することもある。また、細菌性腸炎のなかには慢性の経過をきたす疾患や、疾患によっては連続性に病変を認める場合があったり、逆にUCの治療中に直腸などで炎症所見が軽徴となっていたり、UCにサイトメガロウイルス感染などを合併すると鑑別が必要となることがある。問診では症状、発症様式と経過、併存疾患、服薬歴、食事摂取歴などを聴取したり、血液検査や便培養検査を施行して鑑別疾患を絞り込む。腹部CTにおいてはUCの場合には直腸から連続性に口側へ大腸壁の肥厚を認めるが、細菌性腸炎では右側結腸の壁肥厚が優位に目立つことが多い。内視鏡所見では、病変の分布、特に最も所見が強い部位、潰瘍・びらんの形態・配列、潰瘍底、潰瘍辺縁、介在粘膜に着目する。
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