診断に迷うIBDの非典型例
非典型像を呈したクローン病
大塚 和朗
1
,
藤井 俊光
,
竹中 健人
,
松岡 克善
,
長堀 正和
,
木村 麻衣子
,
冨井 翔平
,
渡辺 守
1東京医科歯科大学 消化器内科
キーワード:
Crohn病
,
鑑別診断
,
消化器系内視鏡法
,
組織診
Keyword:
Crohn Disease
,
Diagnosis, Differential
,
Endoscopy, Digestive System
pp.559-564
発行日 2016年11月20日
Published Date 2016/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2017081481
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クローン病(CD)には,典型的所見が捉えられなかったり術前に十分な検索ができなかったため,手術標本から診断される例もある.症例1は50代男性.回腸に不整形潰瘍と狭窄,膿瘍形成があったが,腸閉塞もあり術前に確定診断できず小腸部分切除を施行された.切除標本で,腸間膜付着側縦走潰瘍があり,非乾酪性類上皮細胞肉芽腫も認められ,CDと診断された.症例2は40代男性.腹痛,下痢で発症し回盲部に潰瘍がみられたが,縦走潰瘍や敷石像は確認されず,経過中には鼻腔や口腔,咽頭に類円形潰瘍がありベーチェット病が疑われた.発症3年後に小腸部分切除術が施行され,切除標本の腸間膜付着側縦走潰瘍瘢痕と肉芽腫を疑う組織球集簇からCDと診断された.
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