診断に迷うIBDの非典型例
Ulcerative proctitisとLymphoid follicular proctitis
藤田 浩史
1
,
長坂 光夫
,
平田 一郎
,
大宮 直木
,
浦野 誠
,
白石 天三
,
遠藤 茂夫
,
小池 光正
,
芳野 純治
,
服部 信之
,
遠山 邦夫
,
佐野村 誠
1日進おりど病院 消化器内科
キーワード:
直腸結腸炎
,
鑑別診断
,
大腸炎-潰瘍性
,
直腸炎
,
リンパ小節
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Colitis, Ulcerative
,
Proctitis
,
Proctocolitis
pp.551-558
発行日 2016年11月20日
Published Date 2016/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2017081480
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直腸に良性でびまん性のリンパ濾胞の増殖をきたす疾患(benign and diffuse rectal lymphoid follicular hyperplasia;BDRLH)の一部に潰瘍性大腸炎へと進展する症例があることが報告されている.しかし症例報告が中心であり詳細な病理所見,臨床所見,内視鏡所見の検討は十分とはいえない.そこで今回,クローン病,クラミジア直腸炎を除いたBDRLHを病理所見からリンパ濾胞性直腸炎(lymphoid follicular proctitis;LFP)群と潰瘍性直腸炎(ulcerative proctitis;UP)群に分類し血液生化学的所見,臨床症状と内視鏡所見を比較し,さらに両者の潰瘍性大腸炎への進展の関係を検討した.今回の検討で潰瘍性大腸炎に移行した症例はすべてUP症例であり,LFP症例から潰瘍性大腸炎に進展する症例は皆無であることが確認された.BDRLHが確認された場合には,病理所見と内視鏡所見から両者を正確に診断する必要があると考えられた.
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