クローン病治療の最前線
便中カルプロテクチンによる治療効果モニタリング
竹内 健
1
,
鈴木 康夫
1東邦大学医療センター佐倉病院 内科学講座消化器内科学分野
キーワード:
生物学的マーカー
,
Crohn病
,
糞便
,
基準値
,
治療成績
,
検便
,
白血球L1抗原複合体
Keyword:
Crohn Disease
,
Feces
,
Reference Values
,
Biomarkers
,
Treatment Outcome
,
Leukocyte L1 Antigen Complex
pp.191-195
発行日 2016年3月20日
Published Date 2016/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2016236012
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クローン病の治療目標は臨床的活動性指標の改善だったが,長期予後の観点から持続的な"粘膜治癒"が新たな治療目標となっている.便中カルプロテクチンは内視鏡的活動性と相関し,抗TNF-α抗体製剤により導入された"粘膜治癒"の評価とともに再燃の予測も可能な非侵襲性の炎症マーカーである."粘膜治癒"に関するカットオフ値の設定などの問題が残るが,侵襲性の高い内視鏡に代わり,便中カルプロテクチンにより疾患活動性のモニタリングを行い,これに基づく早期の治療の介入と最適化を行うことは,術後症例も含めてクローン病の予後改善に大きく寄与できる可能性がある.
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