腎性貧血治療の新たな課題-ESA低反応性と鉄代謝異常
腎性貧血治療と鉄剤投与 大規模臨床研究からみた鉄剤投与方法
倉賀野 隆裕
1
,
中西 健
1兵庫医科大学 内科学腎・透析科
キーワード:
Ferritins
,
Hemoglobins
,
造血剤
,
鉄
,
薬物反応性低下
,
予後
,
多施設共同研究
,
鉄過剰症
,
鉄代謝障害
,
ランダム化比較試験
,
静脈内投与
,
貧血-腎性
Keyword:
Drug Tolerance
,
Hemoglobins
,
Hematinics
,
Prognosis
,
Randomized Controlled Trials as Topic
,
Multicenter Studies as Topic
,
Iron Metabolism Disorders
,
Iron Overload
,
Administration, Intravenous
,
Ferritins
,
Iron
pp.1843-1850
発行日 2013年12月10日
Published Date 2013/12/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2014077337
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近年,欧米ではESA(erythropoiesis stimulating agent)使用量が低下し,静注鉄剤の使用量が増加している.しかし長期間で鉄剤投与と慢性腎臓病(CKD)症例のイベントや予後との関連を明らかにした臨床研究は少ない.近年発表された,鉄過剰・ESA低反応性貧血・Hb variabilityに関連した臨床研究からも安定した目標Hb値の維持には必ずしも多量の貯蔵鉄量は必要としていないことが明らかになっている.また現在実施中である大規模臨床研究の中間報告では多量の貯蔵鉄や大きな変動を有する貯蔵鉄を有するCKD症例群は,脳・心血管合併症や感染症などのイベントや死亡へのリスクが高いことも明らかになりつつある.CKD症例に鉄剤を投与する際には,これら症例の鉄代謝障害に配慮する必要がある.
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