CKD貧血ガイドライン-二度の改訂を巡って
Clinical Question ESA投与に先行する鉄補充療法は勧められるのか?
神田 英一郎
1
1東京共済病院 腎臓内科
キーワード:
Ferritins
,
血液透析
,
鑑別診断
,
腎不全-慢性
,
造血剤
,
鉄
,
基準値
,
診療ガイドライン
,
貧血-鉄欠乏性
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Kidney Failure, Chronic
,
Hematinics
,
Renal Dialysis
,
Reference Values
,
Practice Guidelines as Topic
,
Anemia, Iron-Deficiency
,
Ferritins
,
Iron
pp.163-168
発行日 2017年2月10日
Published Date 2017/2/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2017163960
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透析患者の貧血にはさまざまな原因があるため,形態学的分類に基づいて貧血の鑑別を進め,原因を明らかにする.透析患者の貧血には,エリスロポエチン(EPO)産生低下による腎性貧血のほか,鉄欠乏,炎症などが関与している.透析患者の腎性貧血に鉄欠乏性貧血が合併することがあるため,鉄代謝をトランスフェリン飽和度(TSAT)と血清フェリチン値で評価する.血清フェリチン値が50ng/mL未満では,鉄欠乏の可能性がある.透析患者の貧血治療では,赤血球造血刺激因子製剤(erythropoiesis-stimulating agent;ESA)が通常,投与されるが,明らかに鉄が欠乏している場合には,ESA投与に先行する鉄補充療法は可能である.しかし,鉄の過剰投与は副作用を生じるため,注意を要する.
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