鉄と骨代謝
鉄が及ぼす酸化ストレスの捉え方
丸山 徹
1
,
安楽 誠
,
田中 元子
1熊本大学 薬学部薬剤学分野
キーワード:
Ferritins
,
血液透析
,
腎不全-慢性
,
鉄
,
経口投与
,
Hydroxyl Radical
,
酸化ストレス
,
貧血-鉄欠乏性
,
静脈内投与
,
Ferric Citrate
,
Fenton反応
Keyword:
Administration, Oral
,
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Oxidative Stress
,
Hydroxyl Radical
,
Anemia, Iron-Deficiency
,
Administration, Intravenous
,
Ferric Citrate
,
Ferritins
,
Iron
pp.135-141
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.19020/J02201.2016329682
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鉄補充療法は,鉄欠乏性貧血において非常に有効な治療法であるが,遊離鉄分子はフェントン反応を介して,活性酸素種,とくに細胞傷害性の強いヒドロキシラジカルの過剰な産生を促進し,血管内皮傷害を引き起こす.そのため,鉄製剤に関しては,貧血改善効果だけでなく,酸化ストレスを考慮した適正使用が重要である.静注鉄製剤の場合,短期間で繰り返し投与すると,遊離鉄の上昇を介して酸化ストレスを誘導する.一方,経口剤であるクエン酸第二鉄製剤の場合,リン吸着および貧血改善効果を発揮する条件下において,酸化ストレスの亢進を引き起こしにくい.今後,鉄製剤と酸化ストレスに関してさらなる臨床エビデンスの構築が望まれる.
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