特集 患者指導、医師のこの一言が患者を変える
疾患別指導 鉄欠乏性貧血
小松 則夫
1
1順天堂大学 医学部血液内科
キーワード:
Ferritins
,
消化器徴候と症状
,
爪疾患
,
鉄
,
投薬計画
,
経口投与
,
病歴聴取
,
食事性鉄
,
貧血-鉄欠乏性
,
栄養指導
,
静脈内注射
,
生活指導
Keyword:
Ferritins
,
Signs and Symptoms, Digestive
,
Administration, Oral
,
Medical History Taking
,
Iron
,
Nail Diseases
,
Injections, Intravenous
,
Drug Administration Schedule
,
Anemia, Iron-Deficiency
,
Iron, Dietary
pp.1029-1034
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00697.2023020831
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<Headline>1 血液診療のなかで最も多く遭遇する疾患の1つである。しかし鉄欠乏の原因は様々で、癌による慢性的な出血による場合もあるので、治療開始と同時に必ず鉄欠乏の原因を追求する。2 動悸や息切れ、全身倦怠感などの貧血に共通してみられる症状のほかに、異食症やスプーン爪、Plummer-Vinson症候群などの鉄欠乏性貧血特有の症状がみられる。3 血清フェリチン値は貯蔵鉄量を反映しており、低下していれば、鉄欠乏性貧血と診断してよいが、慢性炎症や悪性腫瘍を合併すると、血清フェリチン値は必ずしも低下しないため、血清フェリチン値の低下がないことは鉄欠乏性貧血を否定することにはならない。4 鉄剤による治療効果の早期判定には網赤血球絶対数の一過性上昇(網赤血球分利)がおおいに参考になる。
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