慢性腎臓病と老化-Phosphate connection
慢性腎臓病におけるFGF23-Klotho内分泌系の適応と破綻
杉浦 秀和
1
1東京女子医科大学 第四内科
キーワード:
Calcitriol
,
骨疾患-代謝性
,
副甲状腺
,
副甲状腺ホルモン
,
遠位尿細管
,
慢性腎臓病
,
Klotho Protein
,
線維芽細胞増殖因子-23
Keyword:
Bone Diseases, Metabolic
,
Calcitriol
,
Kidney Tubules, Distal
,
Parathyroid Glands
,
Parathyroid Hormone
,
Renal Insufficiency, Chronic
,
Klotho Protein
,
Fibroblast Growth Factor 23
pp.23-30
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.19020/J02201.2015127396
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慢性腎臓病(CKD)患者の表現型は,Klotho欠損マウス,FGF23欠損マウスに共通する部分が多く,FGF23-Klotho内分泌系の理解がCKDの病態を考えるうえで重要である.早期CKDにおけるリン恒常性は,FGF23を上昇させてネフロン当りのリン排泄量を増やし,ネフロン数の減少を代償することで維持されている.CKDの病期が進むにつれ,FGF23 上昇による活性型ビタミンDの低下,さらに活性型ビタミンD低下によるPTHの上昇へと続く.末期CKDで,摂取したリンを排泄できないまでにネフロン数が減少すると,ついにリン恒常性が破綻して血中リンが上昇する.このようにCKD-MBDの病態は,FGF23-Klotho内分泌系の適応と破綻という視点から理解することが可能である.
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