慢性腎臓病と老化-Phosphate connection
FGF23-Klotho内分泌系の生理機能
椎崎 和弘
1
,
三浦 裕
,
黒須 洋
,
黒尾 誠
1自治医科大学分子病態治療研究センター 抗加齢医学研究部内科学講座腎臓内科学部門
キーワード:
シグナルトランスダクション
,
加齢
,
副甲状腺
,
遠位尿細管
,
慢性腎臓病
,
klothoマウス
,
Klotho Protein
,
線維芽細胞増殖因子-23
Keyword:
Aging
,
Kidney Tubules, Distal
,
Parathyroid Glands
,
Signal Transduction
,
Renal Insufficiency, Chronic
,
Klotho Protein
,
Fibroblast Growth Factor 23
pp.17-22
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.19020/J02201.2015127395
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
老化抑制遺伝子であるKlothoは細胞膜を1回貫通するI型膜蛋白質で,fibroblast growth factor受容体(FGFR)と複合体を形成し,FGF23に対するFGFRの親和性を特異的に高めることで,FGF23の共受容体として機能する.Klothoは腎臓や副甲状腺など特定の臓器に発現し,FGF23の標的臓器を規定している.このFGF23-Klotho内分泌系は,リンやビタミンDの恒常性維持に必須であり,骨ミネラル代謝の調節に関与している.慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常(chronic kidney disease-mineral and bone disorder;CKD-MBD)や,CKD-MBDに合併するさまざまな老化様症状の発症にFGF23-Klotho内分泌系が重要な役割を果たしていることが明らかになり,慢性腎臓病と老化の関係が注目されている.
Copyright © 2015, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.