慢性腎臓病と老化-Phosphate connection
Klotho蛋白の腎保護作用
土井 盛博
1
,
正木 崇生
,
黒尾 誠
1広島大学病院 透析内科
キーワード:
Angiotensin II
,
Cisplatin
,
遺伝子発現
,
加齢
,
再灌流傷害
,
疾患モデル(動物)
,
腎臓疾患
,
腎臓切除
,
糖尿病性腎症
,
肥大
,
腎機能障害
,
Klotho Protein
,
高血圧-食塩感受性
,
腎虚血
,
腎線維症
Keyword:
Aging
,
Cisplatin
,
Disease Models, Animal
,
Diabetic Nephropathies
,
Kidney Diseases
,
Hypertrophy
,
Nephrectomy
,
Reperfusion Injury
,
Gene Expression
,
Renal Insufficiency
,
Klotho Protein
,
Angiotensin II
pp.31-39
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.19020/J02201.2015127397
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Klothoは主として腎臓で発現している蛋白であり,klotho欠損マウスは,寿命の短縮,異所性石灰化,皮膚や筋肉の萎縮,性腺機能の低下といったヒトの老化や慢性腎不全患者の全身性合併症によく似た表現型を示す.このことは,「腎で発現するKlothoが老化を制御している」や「慢性腎不全でみられる全身性老化様症状はKlothoの低下に起因する」という仮説につながり,実際にこれを支持するような研究報告も存在する.さらに近年になり,さまざまな腎疾患モデルにおいて,Klotho蛋白の発現が低下しているヘテロ欠損マウスでは腎障害が増悪し,逆にklothoトランスジェニックマウスやKlotho蛋白投与,アデノウイルスによるklotho遺伝子の導入で腎障害が軽減するという報告が相次いでおり,腎保護因子としてのKlothoにも注目が集まっている.その一方で,Klothoの発現はさまざまな刺激によって容易に低下するため,その発現をいかに保持するかが今後の重要な課題である.
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