発行日 2017年2月20日
Published Date 2017/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2017198450
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78歳女。1ヵ月前からの血便と下腹部痛を主訴とした。大腸内視鏡でS状結腸に憩室の多発と強い浮腫を認め、粘膜面にはアフタや白色の膿性分泌物を伴う多発小びらんがびまん性に存在した。これらの炎症性変化は非対称的で縦走傾向はなく、憩室自体には乏しく憩室間粘膜で顕著であった。直腸粘膜には発赤やアフタは認めなかった。S状結腸から採取した検体の生検では表層のびらん化を認め、表層の腺管の一部が変性に陥っており、間質に好中球を含む比較的高度の炎症細胞浸潤を認めた。直腸から採取した検体は軽度の浮腫性変化を認めるのみであった。以上より憩室性大腸炎と診断し、絶食・補液管理の上で経口メサラジンを投与した。症状は徐々に軽減し、炎症反応は陰性化し、画像所見も改善して退院となった。
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