消化管出血に対する診療-JGESガイドラインをふまえて
大腸憩室出血に対するアプローチ
石井 直樹
1
,
池谷 敬
,
岡田 修一
,
藤田 善幸
1聖路加国際病院 消化器センター
キーワード:
大腸内視鏡法
,
消化管出血
,
鑑別診断
,
内視鏡的止血
,
結腸憩室
Keyword:
Colonoscopy
,
Diagnosis, Differential
,
Diverticulum, Colon
,
Gastrointestinal Hemorrhage
,
Hemostasis, Endoscopic
pp.327-334
発行日 2017年2月20日
Published Date 2017/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2017145701
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高齢化,高血圧や動脈硬化症といった既往症の増加,抗血栓薬や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の頻用により,大腸憩室出血症例は増加傾向にある.診断のモダリティとして大腸内視鏡検査が第一選択と考えられるが,上部消化管出血が否定できない場合には上部消化管内視鏡検査の先行が望ましい.早期に大腸内視鏡検査を行うことによる再出血率の低下や入院期間の短縮は認められていないが,出血源の同定率や内視鏡治療への移行において有意な改善が得られる可能性がある.内視鏡治療として,高周波凝固法,エピネフリン局注法,クリップ法,EBLがある.内視鏡的止血術後は遅発性再出血の予防も重要である.
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