消化管出血に対する診療-JGESガイドラインをふまえて
肛門部出血に対するアプローチ
望月 暁
1
,
岡田 滋
,
北山 大祐
,
新井 健広
,
松尾 恵五
1大腸肛門病センター東葛辻仲病院
キーワード:
肛門疾患
,
痔核
,
出血
,
鑑別診断
,
裂肛
Keyword:
Anus Diseases
,
Diagnosis, Differential
,
Fissure in Ano
,
Hemorrhoids
,
Hemorrhage
pp.341-346
発行日 2017年2月20日
Published Date 2017/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2017145703
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肛門部出血に対する診療では,肛門痛,血便の性状から出血部位を特定し,出血量や出血持続性を確認することで,さらに鑑別診断の絞り込みを効率よく行う.肛門疾患による出血の多くは,痔核もしくは裂肛によるものであるが,肛門癌などの悪性疾患も見逃してはならない.肛門疾患による出血の多くは肛門診察で診断可能であり,普段から肛門診察に慣れておくことが必要である.肛門疾患として頻度の高い痔核と裂肛の治療においては,便秘,下痢を避けるため生活排便習慣を改善し,肛門の衛生を保つため入浴や坐浴を積極的に取り入れ,必要に応じて局所薬物療法を行う.保存的治療が無効な場合は外科的治療を検討する.
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