いわゆる"早期の膵癌"-その発生機序と診断
病理からみた"早期の膵癌" その発生機序を含めて
柳澤 昭夫
1
1京都府立医科大学 大学院医学研究科人体病理学
キーワード:
腫瘍侵入性
,
上皮内癌
,
前癌状態
,
膵管癌
,
発癌
,
粘液細胞
Keyword:
Carcinoma in Situ
,
Neoplasm Invasiveness
,
Precancerous Conditions
,
Carcinoma, Pancreatic Ductal
,
Carcinogenesis
pp.1677-1685
発行日 2016年11月20日
Published Date 2016/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2017095239
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膵管癌の発生過程には,腺腫を経て浸潤癌adenoma-carcinoma sequenceに至る経路と,腺腫を経ず浸潤癌に至る経路de novoがある.前者はIPMN由来癌であり,後者は腺腫を経ずに発生,浸潤する通常型浸潤性膵管癌である."長期予後が期待できる早期膵癌"には,"非浸潤性の癌"と"わずかに浸潤した浸潤性膵癌"が含まれる.わずかに浸潤した膵癌とは,どの程度の浸潤かは不明であるが,浸潤がわずかであればあるほど予後は良いことが推測される.わずかな浸潤の癌を見つけるためには,癌には発生してすぐに浸潤する癌と,ある程度膵管内を進展したのち浸潤する癌があることを知っておくことが重要である.
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