いわゆる"早期の膵癌"-その発生機序と診断
最近の話題 Catastrophic hypothesisによる膵発癌 ヒト膵癌とマウスモデル膵癌
山口 高志
1
,
池原 早苗
,
池原 譲
1千葉大学 大学院医学研究院腫瘍病理学教室
キーワード:
疾患モデル(動物)
,
膵臓腫瘍
,
トランスジェニックマウス
,
膵管癌
,
発癌
,
多段階発癌
Keyword:
Disease Models, Animal
,
Mice, Transgenic
,
Pancreatic Neoplasms
,
Carcinoma, Pancreatic Ductal
,
Carcinogenesis
pp.1743-1748
発行日 2016年11月20日
Published Date 2016/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2017095247
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ヒト膵癌の特徴は,急速な経過で,catastrophic progressionとも表現される.一方,膵癌の発生と進展のメカニズムについて,PanIN-PDAC linear pathwayが広く支持されており,前癌病変であるPanINを起点に,段階的な悪性形質の獲得により癌へと至ると考えられている.これらのことを踏まえて本稿では,臨床病理学的に膵癌の特徴を整理するとともに,膵発癌のマウスモデルについて,「段階的な遺伝子変異の蓄積によって膵癌が出現するもの」と,「catastrophic progressionをする膵癌がいきなり出現するもの」に分けて概説する.
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